演繹法は、結論→理由→「枠」にはめる

演繹法とは、一般的・普遍的な前提から結論を得る論理展開の方法です。
何か、よくわからないと思うので、ジックリ解説したいところですが……演繹法は、ウンチクを読むよりも、実際に例題を解いていく方がわかりやすいです。
というわけで、まずは例題を解いてみましょう。

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演繹法で論理展開する方法

というわけで、例題です。
いきなり例題を解けといわれても、わからないかもしれませんが、少し考えてから、先を読み進めてください。

(例題1)妻は、「明日、飲み会に行きたい」という、あなたの提案に反対しています。そこで、「演繹法」を使って、妻を説得するメールを書いてください。

演繹法で論理展開するとき、私は以下のように考えています。

(手順1)まずは結論から考える
(手順2)その理由を考える
(手順3)理由を大きな枠にはめる

というわけで、実際に、手順通りにしていきます。

まずは、手順1、結論から考えます。
結論は「明日、飲み会に行きたい」ですね。

次に、手順2、その理由を考えます。
結論である「明日、飲み会に行きたい」の理由、すなわち、なぜ明日、飲み会に行きたいのかを考えます。
理由は何でも構いませんが、ここでは、理由を「同期が久しぶりに飲みたいと言っていたから」とします。

ここまでをまとめると、以下です。

(メールの文章:まだ改善の余地あり)
同期が久しぶりに飲みたいと言っていたから、明日、飲み会に行きたい。

よく見かけるメールですよね。
ただ、まだ説得力に欠けます。
そこで、もっと説得力がある文章にするために、3つ目の手順である「理由を大きな枠にはめる」をします。
この3つ目の手順が、演繹法のキモとなります。

では、大きな枠とは、一体、何なのでしょうか。
ここで言う大きな枠とは、理由を正当化できる一般的・普遍的な前提、真理、ルールなどです。
※)「人は死ぬ」「地球は周っている」などのような否定できないものが理想です。



ただ、いきなり、「理由を正当化できる一般的・普遍的な前提、真理、ルール」といわれても、どういうことかわからないですよね。
そこで、一例をあげます。

<一般的・普遍的な前提>
「同期は大切にしろって言われている」

この一般的・普遍的な前提は、以下のすべてを正当化しますね。

「同期にゴルフに誘われたから行く」
「同期が家を建てたから遊びに行く」
「同期が久しぶりに飲みたいと言っていたから飲む」

図にすると以下です。



もちろん、「同期が久しぶりに飲みたいと言っていたから」という理由も正当化します。

というわけで、以下になります。

(メールの文章)
同期は大切にしろって言われているじゃない。同期が久しぶりに飲みたいと言っていたから、明日、飲み会に行きたい。

より説得力が増したのではないでしょうか。
「同期は大切にしろって言われている」という一般的・普遍的な前提さえ否定されなければ、妻は「飲み会に行くな」とはいえなくなります。

演繹法とは、一般的・普遍的な前提(同期は大切にしろって言われているじゃない)から結論(明日、飲み会に行きたい)を得る論理展開の方法です。
これで、演繹法とは、どういうものなのか、理解できたのではないでしょうか。

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演繹法を身につけよう!

実際にできるか、練習問題を解いてみましょう。

(練習)以下を説得力のある文章にしてください。
「インターネットは素晴らしい」
※)今は演繹法を身につけることが目的ですので、論理が破綻しても構いません。

まずは、手順1、結論から考えます。
結論は「インターネットは素晴らしい」です。

次に、手順2、その理由を考えます。
ここでは、理由を「色々な情報を簡単に入手できるから」とします。

ここまでをまとめると、以下です。

(メールの文章:まだ改善の余地あり)
色々な情報を簡単に入手できるから、インターネットは素晴らしい。

まだ説得力に欠けます。
そこで、手順3、「理由を大きな枠にはめる」です。
どういうものを思いつきますか。



わたしは、「情報を制する者が世界を制すると言われている」を思いつきました。

というわけで、以下になります。

(メールの文章)
情報を制する者が世界を制すると言われている。色々な情報を簡単に入手できるから、インターネットは素晴らしい。

より説得力が増したのではないでしょうか。
※)ここでは演繹法を身につけることが目的ですので、この論理展開が正しいかどうかは別です。

もちろん、答えは1つではありません。
別の答えもみていきましょう。

まずは、手順1、結論から考えます。
結論は「インターネットは素晴らしい」です。

次に、手順2、その理由を考えます。
ここでは、理由を「家にいながらにして交流ができるから」とします。

ここまでをまとめると、以下です。

(メールの文章:まだ改善の余地あり)
家にいながらにして交流できるから、インターネットは素晴らしい。

まだ説得力に欠けます。
そこで、手順3、「理由を大きな枠にはめる」です。
どういうものを思いつきますか。



わたしは、「人は、人と交流することで成長できる」を思いつきました。

というわけで、以下になります。

(メールの文章)
人は、人と交流することで成長できる。家にいながらにして交流できるから、インターネットは素晴らしい。

より説得力が増したのではないでしょうか。
※)ちなみに、この論理展開が正しいかどうかは別です。

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