「必要条件」「十分条件」の知識は論理的な文章を書く手助けになる
数学で学習した「必要条件」と「十分条件」を知っていれば、論理的な文章を書く手助けになります。そこで、このページでは、必要条件、十分条件を、わかりやすく解説します。
なお、このページは、数学が苦手な人に向けて書いています。
数学が嫌いな人こそ、このページを読んでくださいね。
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必要条件、十分条件を難しく説明
必要条件、十分条件とは、一言でいえば、以下です。
「pならばq」の命題が真のとき、pはqの十分条件、qはpの必要条件である
これをそのまま理解できれば、すでに、必要条件、十分条件のことがわかっているということなので、このページは読み飛ばしてください。
「何のことかよくわからない」と思っている人だけ、以下を読み進めてください。
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命題とは?
正しいか、正しくないかが明確に決まるもののことを「命題」と言います。
命題が正しいことを真、正しくないことを偽であるといいます。
(例)彼は背が高い
本当に背が高いかもしれませんが、どのくらい背が高いのか明確ではありません。だから、この例は命題ではありません。
(例)彼の身長は180センチです。
身長が180センチかどうか、明確にわかります。だから、この例は命題です。仮に彼の身長を測定して、170センチしかなければ「偽」、180センチならば「真」になります。
十分条件とは?
「野菜」と「トマト」の関係を考えてみましょう。
野菜とトマトの関係を図で表すと、下記の(ア)と(イ)のうち、どちらになると思いますか。
もちろん、(ア)ですよね。
なぜなら、ピーマン、ニンジン…色々ある野菜の中に、トマトがあるためです。
さて、ここで、上図のトマトに着目してください。
トマトは、野菜ですね。
トマトならば、野菜。
このようなとき、トマトは(野菜であるための)十分条件といいます。
必要条件
野菜に着目してください。
野菜といえば、トマトですか?
違いますよね。
他にも、ニンジンやピーマンなどの野菜がありますので、野菜といえば、トマトではありません。
つまり、「野菜」と「トマト」の関係は、「野菜といえばトマトではない(トマト以外にも野菜はある)」ということになります
このようなとき、野菜は(トマトであるための)必要条件といいます。
必要条件と十分条件
必要条件、十分条件、何かややこしいですよね。
下図を見て、必要条件か十分条件か埋めることができますか?
この図、どのように考えるのかというと以下です。
・十分条件:「そう言うのに十分」だと覚えておく
まずは、トマトに注目してください。
仮に、正体不明のAがあったとします。
「Aはトマト」といえば、「Aは野菜」であるといえますよね。
言い換えると、Aがトマトとさえ言えば、野菜だと十分にいえます。
だから、図の内側は十分条件になります。
・必要条件:「そうかもしれないけど、それだけではない」と覚えておく
次に、野菜に注目してください。
仮に、正体不明のAがあったとします。
「Aが野菜」というだけでは、「Aはトマト」とはいえませんよね。確かにAがトマトである確率もありますが、野菜にはトマト以外もあるため、必ずしもそういうことができません。
言い換えると、Aが野菜といえば、トマトかもしれないけど、それだけではないといえます。
だから、図の外側は、必要条件になります。
必要条件か十分条件(まとめ)
pならばqが真ならば、以下です。
・pはqであるための十分条件
・qはpであるための必要条件