「名前」で親近感を持たせる方法
まずは以下の文を読んでみてください。
サラリーマンの佐藤さん、鈴木さん、高橋さん!――(A)
会社は、あなたの実力を正当に評価していません。
だから、会社にいると、いつまで経っても、 不当に評価されるばかりで損してしまいます。
かといって、今の時代、会社を辞めるのはリスクが高すぎます。
だから、仕事をしながら片手間でネットで稼ぐといいでしょう。
あなたの実力を発揮させつつ、 安定したサラリーマンの収入を得ることができます。
「そこまでの実力はない」と自信がないかもしれませんが、 本当にそうでしょうか。
あなたには、あなたが気がついていない 「埋もれた実力」があります。
そこで、今のあなたの実力と、あなたの埋もれた実力を発揮させるためのメソッドを紹介します。
ものすごく簡易的に、心理テクニックを ちりばめた広告文を作ってみました。
もっと巧妙に仕掛けると、きっとサラリーマンの佐藤さん、 鈴木さん、高橋さん……つまり、4%の人は、私が紹介する商品を購入することになるでしょう(多分)。
※)佐藤さん、鈴木さん、高橋さんの 日本の人口に占める割合は約4%です。
つまり、精読率を無視して1千名の読者が この記事を読んでいるとすれば、 (また上記の広告文を、もっと巧妙にすれば) 40人に「強く」訴求するわけですね。
では、冒頭の広告文に、 どんな心理テクニックをちりばめているのでしょうか。
今回は(A)の部分に着目します。
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名前ランキングで、特定の人に心が響くキャッチコピーをつくろう
最近、「佐藤さん」「岩崎さん」などと呼びかける テレビCMを見かけますよね。佐藤さんと岩崎さんは、 別に、自分が呼ばれているわけではないのに、まるで自分のことのように感じてしまうのではないでしょうか。
もっとこの手法を詳しく見てみましょう。
人は、自分に関することだと興味を持つので(心理学的な見地から)、 キャッチコピーで「おっ!自分のことか?」と思わせるのも、一つの手です。 そこで、「男性のあなたへ!」とするとどうでしょうか。
男性のみなさんは、「自分のことだ!」と…… あまり思わないですよね。
「男性へ」みたいな、あまりに抽象的な呼びかけだと効果がありません。もっと具体的にすべきです。
だから「名前」なんです。
では、どのような名前で呼びかけるべきなのでしょうか。やはり、商品を沢山売りたいので、 人口が多い名前の方がいいと思います。
そこで、ネットにある「名前ランキング」を利用します。
このランキングの上位の名前を使ったキャッチコピーを使えば、確率論的に 多数の人の心に響きます。
ちなみに、テレビCMでは、視聴率が15%とすれば、 1千万人ほどの人が見ていることになるので、その中の「佐藤さん」「岩崎さん」が占める割合は、1.7%。つまり、17万人。
あのテレビCMで17万人が、「あっ!私のこと?」と 思うか、親近感を覚えるわけです。
で、コンバージョンが1%として、1700人。
あのテレビCMで、1700人は、商品・サービスの 利用をするのかもしれません。
「テレビのCMコストが……」と計算して、 割りに合いそうだから宣伝しているのでしょうね。
なお、冒頭で紹介した広告文のうち、(A)以外の広告文は(つまり二行目以降は)、だいたい、サラリーマンが不満に 思っていることなどを書いています。 心理学でいうバーナム効果のような効果を狙ったものです。
というわけで、本のタイトルで、そのうち 「佐藤さんへ!あなたが成功する仕事術」なんて 出てくるかもしれませんね。