数値の見せ方を変えて、誤魔化す「技」

今回は、商品を販売するときにも、商品を購入するときにも、知っておいて損はない知識を紹介します。

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パーセンテージか絶対値か?

家電量販店に行って、20万円の冷蔵庫を買ったしましょう。
いざ、代金を支払う段階になれば、店員から以下の(A)のように言われると思いますが……。申し込んだことはあります?
※)以下の数値はすべて適当です。

(A)冷蔵庫の代金に対して、「5パーセント」を支払うと、メーカー保障が1年のところ、「5年」に延長することができます。万が一、故障したときを考えると、お得だと思います。

「たった5パーセントで、5年も延長できるのか」と思って、申し込んでしまう人も多いのではないでしょうか。
では、以下の(B)は、どうですか?

(B)「1万円」を支払うと、メーカー保障が1年のところ、「5年」に延長することができます。万が一、故障したときを考えると、お得だと思います。

「保障延長に1万円? 高いよね」と思って、躊躇する人も出てくるのではないでしょうか。

――お分かりだと思いますが、(A)と(B)は同じです。
(A)はパーセンテージで表していて、(B)は絶対値で表しているだけです。

(A)5パーセント(20万円に対して)
(B)1万円

このように、パーセンテージを使うと、値を低く見せかけることができます。
ただ、コツがあります。
それはパーセンテージの「母数」を隠すこと。
どういうことでしょうか。以下を見てください。

(A)冷蔵庫の代金に対して、「5パーセント」を支払うと、
(AA)冷蔵庫の代金、「20万円」に対して、「5パーセント」を支払うと、

(A)は、いくらに対する5パーセントなのか提示されていません。
つまり、母数が隠されているわけですね。
(AA)のように母数を提示してしまうと、「1万円」と頭の中で絶対値を計算されてしまいますから、(A)のように母数を隠す操作がなされることが多々あります。
(母数を欄外に小さな文字で書いたりしているようです)

コレ、あちこちでよく使われている手法です。
たとえば、以下。

(A)これにより、死亡率が「1パーセント」増加する
(B)これにより、死亡者は「30万人」増加する

(A)は影響が小さく見えて、(B)は甚大に思えます。
ただ、(A)の母数が3千万人だと(A)と(B)は同じになります。
死者の数を少ないように見せかけたい場合は、(A)にして、欄外に小さく母数を書くのが常套手段となっています。

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数値の見せ方を変える

今度は、以下の(C)。

(C)冷蔵庫を購入した後から5年間、故障があったかどうか調査したところ、20パーセントの人は、何らかの故障していることがわかりました。1万円を支払うと、メーカー保障が1年のところ、5年に延長することができます。保障延長しますか?

「保障に1万円は高いけど、20パーセントの人が故障するのか。申し込もうかな」と思って、悩む人も多いのではないでしょうか。
今度は、以下の(D)。

(D)冷蔵庫を購入した後から5年間、故障があったかどうか調査したところ、80パーセントの人は、故障していないことがわかりました。1万円を支払うと、メーカー保障が1年のところ、5年に延長することができます。保障延長しますか?

こう言われると、「申し込まなくても大丈夫じゃない?」と申込に躊躇するのではないでしょうか。

お分かりと思いますが、(C)も(D)も同じです。
しかし、(C)だと申し込む気になって、(D)だと、申し込まなくなります。
このように、数値の見せ方を変えるだけでも、売れ行きに影響を与えるわけです。
買い物のとき、商品を販売するとき、これを知っておくと役立つのではないでしょうか。

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